2015/11/10 17:07

鍼灸=東洋医学ではない?

鍼灸のことを外で話す時に、「鍼灸って東洋医学でしょ?」って言われます。

実は半分当たっていますが、半分間違いです。

「東洋医学(伝統中国医学)の中に鍼灸は含まれるが、鍼灸はかならずしも東洋医学ではない」

数学の時間に習ったベン図を出してみました。左の輪が東洋医学、右の輪が鍼灸だとすると東洋医学の鍼灸というのは真ん中の赤い部分になります。逆に言うと右の輪の他の部分は東洋医学を用いない鍼灸ということになるわけです。

え、そんな鍼灸ってあるんですか? 鍼灸って全て東洋医学の治療だと思ってました。

ですよね~。でも、実は数多くあるんですよ。

 

まずは西洋医学(解剖学中心)の考え方を使って治療をする鍼灸です。

これは主に筋肉や神経を意識して治療をするやり方ですね。例えば肩が凝っているとすると、肩の筋肉のどれが凝っているかを見極めてその筋肉を緩めるような鍼を刺す。

主に筋肉を意識した治療ですので基本的には肩こりや腰痛、ヒザ痛などの整形外科疾患が中心になります。

皆さんがよく聞く鍼灸って実は西洋医学の鍼灸なんですね。

次に美容鍼灸。最近はこの美容鍼灸をするところが増えてきましたよね。

これは医療というよりかはエステの分野に近いのですが、リフトアップやシワのたるみ解消を意識した治療ですね。

そして東洋医学の考え方を使って治療をする鍼灸です。

これは経絡という氣の通り道や東洋医学の内臓観・氣血水という人体を構成する物質の状態変化を使って治療をするやり方です。

この治療は例えば肩こりや腰痛だけではなく、昔からの文献にもあるのですが、それこそ万病を治してきた実績があります。これからの課題は現代における難病治療にどう応用していくかなのですが、実はこの分野も非常に凄い治療効果を出している鍼灸の先生がいたりします。またこの話は次の機会にでもしますね。

もちろん、美容鍼灸の中に東洋医学の考え方を取り入れたり、東洋医学の鍼灸に西洋医学の考え方を取り入れたりして複合的にされている先生もいます。ただ、得意なのはどれ?となるとこの3パターンの中のどれか1つになってくると思います。

ちなみにですが、どの鍼灸が優れているとかこの鍼灸でなければダメということを言うつもりはありません

ただ、鍼灸って色々なやり方があるんですよ。そしてその中ではそれぞれ得意不得意があるんですということを知っていただきたいわけです。

例えばスポーツ外傷における治療はやはり西洋医学の鍼灸が一番得意になりますよね。ここを東洋医学の考え方で出来ないかといえばそんなことはありませんが、例えばスポーツ選手のケアとしてはチームでの連携が重要になりますので東洋医学の考え方では理解してもらえず難しい側面があります。

こんな感じでそれぞれの得意分野・不得意分野がありますので、どんな治療をされているかということを聞いいてみるのも一つの方法です。

で、実はですが、東洋医学の考え方で治療をしている鍼灸(鍼灸整骨)院は非常に少ないです。全体の3割あればいい方かもしれません。

ということで、数少ない東洋医学の鍼灸を受けてみたいとお考えの方、肩こりや腰痛以外の色々な悩みで病院に行っても解決しなかった方は是非伝統鍼灸一滴庵までご連絡ください。

大阪市北区南森町駅すぐ 伝統鍼灸一滴庵

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