2016/9/5 16:36

鍼灸師がするお灸の意義

最近お灸女子という言葉が聞こえてくるようになりました。セルフケアでお灸を行う女性のことなのですけれども、お灸を広めてセルフケアで使えるように講座を開かれている鍼灸師の先生のたゆまない努力のおかげかと思います。

ただ、その反面、では鍼灸師が行うお灸ってどのような位置づけなのかな?と思うこともあります。

ということで鍼灸師が行うお灸のメリットを考えてみました。

お灸の熱量を効果的に使うことができる

鍼灸師が行う灸の特徴とは熱量の調節です。

当院でも台座灸というせんねん灸みたいなお灸を使うこともありますし、火傷を作らないように灸点紙を使うケースもありますが、鍼灸師が行うお灸の魅力はやはり直接肌に置いて熱量を調節しながらするお灸だと思います。

もちろん直接するわけですから火傷ができることもあります。というより、透熱灸という最後まで焼き切るお灸ですのでわざと火傷を作るのが目的でもあります。

この透熱灸で大事なのがもぐさを捻ってお灸にすること。サイズが揃わなかったり、斜めに曲がったり、ひねりが固かったりするとお灸の効き方がまったく変わってきます。

先輩鍼灸師の先生が仰っていたのですが、本当に上手なお灸はツボに置いただけで効果があるというくらい奥深いものです。また焼き切ったお灸の熱さもジリジリと熱さや痛さが残るのではなくて、シュンと熱さや痛みが奥に浸透する心地よさがあるといいます。こんなお灸が理想的なお灸です。

そのためには日ごろお灸を捻る練習をしておく必要がありますよね。まだまだその領域は果てしなさそうです。

効果的なツボを選ぶことができる

鍼灸院のお灸はいわゆる名穴(このツボは○○に効くよと言われているツボ)だけでなく、状態に合わせてお灸を使うツボを選ぶことができます。しかも、このツボ選びは本当にピンポイント! 効果的に効くツボを1mm単位で選びだします。

もちろんこれもたゆまぬ努力が必要になります。

患者さんに合わせてこのツボにお灸をしてくださいと印をつけて指導もできますので患者さんも迷わずせんねん灸などでご自宅でお灸して身体の治りを早める事ができます。

 

鍼灸師の大半は鍼師であって灸師でない現状です。熱いだけでなく、気持ちいいだけでなく、効果的なお灸ができるようになってこその灸師であることを改めて意識していきたいものですね。

お灸の練習

お灸の練習風景

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です