こんにちは、大阪市北区南森町駅すぐの伝統鍼灸 一滴庵です。
5月5日は、暦の上で夏の始まりを告げる「立夏(りっか)」になります。今年は快晴で、子どもと一緒にパンダを見に行ってきました♪
東洋医学では、暦を読むこと=運気を読むことをとても大切にしています。「今年はどんな気候変動が起こりやすいのか」「どんな体調不良が流行しやすいのか」といったことを、干支や節気から読み解く考え方を「運気論(うんきろん)」といいます。
運気論については下の記事を参考にしてみてください。
ちなみに、2025年の干支は「乙巳(きのと・み)」。この年は「金運不及(きんうんふきゅう)」といわれ、肝や心の働きが過剰になり、肺や大腸の機能が弱まりやすい傾向があると考えられています。
また、春分から立夏にかけては「太陽寒水(たいようかんすい)」という寒の性質が一時的に影響を及ぼしていたため、日差しが強いのにどこか肌寒い日が多かったですね。
古典には「この時期は不眠や便秘が増える」とも記されていますが、実際にここ1〜2ヶ月は、便秘や不眠を訴える患者さんが非常に多かった印象です。
東洋医学のバイブルである『黄帝内経(こうていだいけい)』には、夏の養生について以下のように書かれています:
「夏三月、此れを蕃秀(ばんしゅう)と謂う。天地の気交わり、万物華さき実る。夜に臥し早く起き、日を厭うことなかれ。志をして怒ること無からしめ、華英をして成秀せしめ、気をして泄らすを得さしめ、愛する所をして外に在るが若くせしむ。此れ夏気の応、養長の道なり。」
「蕃秀(ばんしゅう)」とは、草木が生い茂り、色とりどりの花が咲く、最も活動的な時期のこと。これは人の身体も同様で、気血がよく巡り、エネルギーを外へと発散させるべき季節だと考えられています。
そのため、
といった生活が推奨されているのです。
これからの時期は、身体を動かすことに加え、体内の熱をやさしく冷ます食材を取り入れることもセルフケアになります。
ただし、「冷たい飲み物やアイス」を摂ると、一時的には涼しく感じますが、身体を冷やしすぎて胃腸に負担をかけたり、自律神経を乱したりする原因になりますので注意が必要です。
おすすめの食材は、以下のような「苦味」や「水分の多い」ものです:
特に緑豆は、薬膳では「甘味」に分類されながらも、熱を冷まし、利尿作用によって身体の中の湿を取り除く働きがあります。
立夏は「夏の入口」。これからどんどん陽気が高まり、身体に熱がこもりやすくなってきます。
しっかり動いて、しっかり発散し、余分な熱と湿を早めにケアすることが、夏バテや胃腸の不調、不眠などを未然に防ぐカギです。
2025年は乙巳の年ということもあり、内熱やメンタルの不安定さが表れやすい年でもあります。ぜひ東洋医学の知恵を日常に活かして、元気に夏を迎えていきましょう。
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