2000年以上前の東洋医学のバイブルである黄帝内経では「諸痛痒瘡は皆心に属す」とあり、昔から痒みやできものに対しての東洋医学での分析はされていました。
今の中医学ではもう少し幅広く痒みや皮膚疾患に対しての見解を広めて分析しています。
皮膚疾患の東洋医学における原因は、風・湿・熱・燥・瘀血が主に中心となり、五臓六腑の関わりとしては肺・脾の機能失調を中心に考えられています。
乾燥性のものは風・熱・燥が関わることが多く、滲湿性のものは風・湿・脾の機能失調が関わるケースが多いです。
鍼灸で主に関わる皮膚科疾患としては、
などがあげられます。
アトピー性皮膚炎を中心とした皮膚科疾患は主に保湿剤や抗ヒスタミン剤、ステロイド外用薬、プロトピック軟膏を使用した療法が選ばれます。
他に菌が原因のものは抗生物質を、ウイルスが原因のものは抗ウイルス薬を使用して治療していくことになり、皮膚の状態などからステロイドの可否や強さの選択が治療の中心になります。
伝統鍼灸一滴庵ではいわゆる”脱ステロイド療法”はおすすめしておりません。
脱ステロイド療法は場合によれば危険性を伴いますし、離脱症状による急激なQOLの低下がみられる場合がほとんどになります。
当院では皮膚科医が処方した軟膏と併用しながらQOLを低下させずに徐々に減薬できるお手伝いを考えて施術をすすめていきます。ただ、患者さんご本人が脱ステロイド療法を行われる場合はそれを尊重しながら施術を進めますのでご安心ください。
また、皮膚科疾患で重要になるのが食事指導になります。
乳酸菌やビフィズス菌といった腸内環境を改善させる食事の提案や逆に腸内環境を悪化させる過剰な糖質や脂質は控えるようにご提案していきますので、出来るだけ取り組んでいただければと思います。