不妊・不育症とは
不妊の定義は日本産婦人科学会によると「妊娠を望む健康な男女が通常の性交を継続的に行っているにも関わらず、一定期間(1年間)経っても妊娠出来ない状態」とされています。
不育症とは「妊娠するものの流産や死産を2回以上繰り返して子供を授かれない場合」とされています。
鍼灸の一般的な効果の中で現代科学において判明しているものは、
①血流量の調整
②自律神経の安定
③免疫の活性化
④痛みの緩和
があります。
もちろん、不妊や不育症の治療の中でも血流量の問題や自律神経の乱れというのが関わってきますので、効果が期待できる分野ではあります。
3つの特徴があります。
当院では漢方クリニックで10000人以上の方に対して東洋医学的問診を行ってきた経験をもとに食事、睡眠などのライフスタイルや過去の病歴などをしっかりとカウンセリングでお聞きして、その人の体質に合わせたライフスタイルの提案と治療を行います。
もちろん、ライフスタイルの提案を無理強いすることはありませんし、出来るだけ出来る範囲でやれることをお伝えするようにはしております。
しっかりとカウンセリングすることで、今の身体の状態に不必要な鍼を減らして効果的で肉体に対する負担の少ない治療が行えます。
当院では妊娠率を少しでも上げるために不妊治療のパイオニアである小田原のビッグママ鍼灸治療室の米山章子先生から指導いただいた棒灸法をセルフケアの棒灸として毎日行っていただくように指導しています。このセルフケアの棒灸を行っていただくことで早い期間でいい結果が出るようになりました。
2つのメリットがあります。
子宮内膜は粘液組織と血管が豊富な結合組織が組み合わさって出来ています。つまり子宮内膜を厚くさせるためには何より子宮内の血液循環をよくする手助けが必要になるのです。そこで、さきほどの鍼灸の効果にもあったように血流量の増加の手助けとなる鍼灸が補助的な役割を持つことになります。
また、卵巣の発育にも子宮内の血流が関与するためいい卵を取るためにもしっかりと着床するためにも鍼灸は効果的です。
日本産婦人科学会の調査では不妊症の中に明確な原因がないのに妊娠できないケースが1~3割程度あります。この西洋医学では原因不明の状態を東洋医学(中医学)の物差しで見た時に案外原因が判明するケースがあります。
先にメリットを述べましたが、良いことばかりではありません。
2019年時点でも鍼灸が生殖医療の補助となる明確なエビデンス(科学的根拠)は現在も出ていません。(否定的意見もありますが、現状否定できる根拠もありません)
2018年5月には体外受精をしている女性の鍼治療と偽鍼治療の有意差が出なかったという報告がされています。
しかしながら鍼灸治療は効果があるという論文もあります。米国生殖医学会の2002年の論文ですが、胚移植前後鍼灸を受けた人の妊娠率が42.5%で受けてない人の妊娠率が26.3%という結果が報告されています。
このように効果があるという説、効果がないという説両面ありますが、効果がない論文でも不妊治療のストレスを改善する効果があるという考察や治療頻度をあげた状態での詳しい研究が必要ともしていますので、まだまだ結論が出るのは時間がかかると思います。
付け加えるならば、臨床の現場ではもちろん治療をしたほうが効果的であるという手ごたえは確実にあります。
これは西洋医学的な不妊治療でも同じことですが、やはり生殖医療に関して言えば金銭的・時間的な負担が大きいこともあげられます。2023年現在では高度生殖医療に関しては一部保険が適応されたものの、やはり大きな負担になりますし、不妊鍼灸においても保険診療適応外となりますので通い続けると負担になる部分もあると思います。
弊院の場合、期間と施術頻度の目安を別ページに記載しておりますので、こちらも合わせてごらんいただければと思います。
治療頻度、治療期間についてはこちらをご覧ください。
また、料金に関しても高頻度の来院になるケースに関しては特別に割引する制度もありますので上手に活用していただいて来院につなげてもらえればいいかと思います。
今の社会で子供を産み育てるというのは大変なことだと思います。その中でどうしても30代になってから妊活をスタートするというご夫婦が増えています(我が家でもそうでした)。そうなるとどうしても年齢的要因でなかなか陽性反応が出ない・流産してしまうリスクが高くなってしまいます。
その中で新しい命を授かるお手伝いが少しでも出来ることを一緒になって取り組んでいけると嬉しいです。