先日このような記事を見かけました。
この記事に関しては、書籍の宣伝なので話半分に聞いていなければいけませんが、ただ、データとしてはやはり興味深いものではあります。
日本の1回採卵あたりの出生率が6.2%なのは日本の医療技術云々よりやはり日本の晩婚化の影響が大きいのかなとは思います。
2015年の人口動態統計で日本の平均結婚年齢は男性で31.1歳、女性は29.4歳となっています。
その上で金銭的不安や(特に女性は)今あるキャリアを捨てなければいけないかもという不安ですぐに子作りに移行できない現状もあります。
僕も結婚したのが妻が33歳の時で、子供のことを考えるようになったのが妻が36歳の時なので3年間は動き出せなかった現状があります。
このデータでは世界各国の体外受精をした年齢までは含まれていないのですが、日本では代理出産や卵子提供などの方法が認められていなかったり抵抗感が強かったりということで40歳を超えていても子供が欲しいために体外受精を繰り返すということで採卵あたりの出生率が下がっているとは考えられます。(台湾の出生率の高さの理由はなんでしょうね)
この記事では日本では薬を何も使わない自然周期法という排卵法を採用する人が多いからうまくいかないという記載がありますが、実際当院の患者さんでは、クリニックに通われている方の多くクロミフェン剤や注射使用による刺激法を選択されているケースが多いです。
とはいうものの、タイミング法も合わせて鍼灸院に通われている方の多くは自然が一番という気持ちを持たれているとは思います。東洋医学は自然哲学を土台にして形成されてきたものですから当然といえば当然ですね。
ただ、刺激を与えたほうが排卵しやすいケースが多いので、当院では薬を使うのは辞めるべきだとはいいません。
やはり西洋科学技術に頼った方がいい部分も多くあります。上手に使うと肉体的にも金銭的にも負担が少ない高度不妊治療(ART)ができるのではないでしょうか?
これに関しては日本でも多くのARTクリニックでは凍結胚移植に移行していると思います。初期胚か胚盤胞かはまだ分かれるところみたいですが。
そういう意味ではこの記事の元データは少し古い?
凍結胚移植のほうが着床しやすいだけでなく多胎リスクや卵巣過剰刺激症候群を回避できるとのことです。
さて、ここからはこの記事とは離れていきますが、このように体外受精で刺激法や凍結胚移植をするなかで不妊鍼灸は何をサポートするかというと以下の点があげられます。
・鍼灸でホルモン剤の副作用を軽減
・お灸による骨盤内血流量の増加
・治療(または治療院)でのリラックス効果
経口にしても注射にしてもホルモン剤によるむかつきや倦怠感、むくみなどの副作用に悩まされることはよくあることです。特にクロミフェンは経管粘液の低下や子宮内膜が薄くなるといった副作用がありますが、それらの諸症状の緩和として鍼灸が効果が期待できます。
特にむかつきや倦怠感といった不定愁訴には西洋医学ではないアプローチの効果が期待できます。
最近では近赤外線治療器での骨盤内血流量の増加のデータも増えていますが同様にお灸(特に温灸)による効果ももちろんあります。骨盤内血流量が増加することで、今まで子宮内膜がなかなか厚くならなかった方が規定まで肥厚したり、卵子のグレードがアップしたりという結果が当院でも出ております。
また、温灸ですのでセルフケアとして自宅施灸もしてもらいやすいというのがメリットです。
鍼灸治療では自律神経のコントロールに効果的であるというエビデンスが数多く寄せられています。交感神経を低下させ、副交感神経を活性化させることでリラックス効果が期待できます。
また、鍼灸院という空間は基本的に落ち着いた雰囲気を演出しています。それによりさらにリラックスできることもありますし、先生の人柄などで色々な悩みの相談に乗ってもらいやすい環境となっていることが多いです。(少なくとも当院は心掛けています)
このように不妊という分野は色々な書籍や考え方が入り乱れており、当事者にとっては色々と迷うことも多いと思います。
私達鍼灸師は皆さんが迷われているときに「自分の考え」を押し付けるのではなく、情報提示と共に出来るだけ納得してもらいながらいい結果が出せる工夫を心掛けております。
もし、現状で不妊治療について迷われていることがありましたら、お近くの不妊治療を得意とする鍼灸院に一度ご相談ください。
もちろん、伝統鍼灸一滴庵でも皆さまのご相談にお答えいたします。
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