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鍼灸後のだるさ・発熱はなぜ?瞑眩(めんげん)反応の原因と対処法

はじめに
鍼灸施術を受けた後、一時的に体がだるくなったり、眠気を感じたりすることがあります。これを東洋医学では「瞑眩(めんげん)」と呼びます。
しかし、私はこの言葉を安易に使うことを良しとしていません。
なぜなら、どのような反応も「瞑眩だから大丈夫」と片付けてしまうのは、施術者の言い訳になりかねないからです。今回は、江戸時代の名医・吉益東洞の言葉を引きつつ、私自身の臨床現場での葛藤と反省を交えて、鍼灸後の反応についてお伝えします。
1. 江戸時代の名医・吉益東洞が説いた「瞑眩」の本質
日本の伝統医学において、瞑眩反応は古くから治療の重要な転換点として語り継がれてきました。古方派の祖とされる吉益東洞(よしますとうどう)は、その著書『医事或問(いじわくもん)』の中で次のように記しています。
「其内に自然と病毒の動く時あり、動くときは大いに瞑眩して病治するものなり。」 (現代語訳:治療を続けるうちに、体内の病毒が自然と動き出す時がある。その時は激しく瞑眩して、病が治っていくものである。)
東洞は、病の原因(病毒)が体外へ排出されようとする際、一時的に身体に大きな変化が起きることを「回復へのプロセス」として非常に重要視しました。現代の視点では、血流の改善や自律神経の調整に伴う、身体の「再構築」のサインと言い換えることができます。
2. 【臨床事例】熱エネルギーの移動に伴う一過性の発熱
当院で実際に経験した、忘れられない事例をご紹介します。
症例:アトピー性皮膚炎の既往があるお子様
体内に深く停滞していた肝欝(かんうつ)からの「熱(ストレス等に由来するもの)」を体表へと誘導し、発散させる施術を行いました。すると翌日、お母様から「40度近い発熱がある」と、大変不安なご様子でお電話をいただきました。
施術者としての反省とフォロー
東洋医学的には、深部の熱が体表へ移動する「病毒が動く」プロセスそのものでしたが、私からこの可能性を事前に十分にお伝えできていなかったことが、お母様の不安を招いてしまいました。
すぐに東洋医学的なメカニズムをご説明し、ご自宅での過ごし方をフォローさせていただきました。幸い、熱は翌日にはスッと引き、その後、身体はこもっていた熱エネルギーが整理されたことで、皮膚の状態や全身の調和が一段階進んだような、晴れやかな変化を見せてくれました。
本来、熟練した技術があれば、これほどの高熱を出さずとも、大便や小便(二便)という自然な排泄ルートを通じて、もっと穏やかに熱を排出できたのかもしれません。
今回のケースでは、お母様が非常に不安そうにされていたこともあり、「一日も早く楽にしてあげたい」という私の功名心が先走り、結果として刺激量が適切と言える範囲を超えてしまった可能性を否定できません。
身体の変化は、必ずしも「強ければ良い」わけではなく、その方の受け入れられる最適な刺激量を見極めることが、鍼灸師としての真の技術であると痛感いたしました。
3. 身体が「作り直される」ときに出る主なサイン
「病毒が動く」とき、私たちの身体にはどのような変化が現れるのでしょうか。よく見られる反応と、その背景にある東洋医学的な意味をご紹介します。
1. 強い眠気・体のだるさ(休息のサイン)
最も多く見られる反応です。施術によって「気血」の巡りが整い始めると、身体は損傷した組織を修復しようと、エネルギーを内側に集中させます。
- 考察: 身体が「休むべき時だ」と判断し、副交感神経を優位にしている状態と考えられます。
2. 一時的な痛みや違和感の変化(修復のサイン)
「以前痛かった場所が少し疼く」「痛みの場所が移動する」といった変化が起きることがあります。
- 考察: 滞っていた気血が流れ出し、鈍感になっていた神経が正常な感覚を取り戻そうとする過程で起こります。まさに「病毒が動いている」瞬間と考えられます。
3. 発熱・皮膚の変化・排泄の変化(掃除のサイン)
稀に、微熱が出たり、湿疹が出たり、便の様子が変わったりすることがあります。
- 考察: 体内に溜まった余分な「熱」や「湿(水分)」を、身体が自ら体外へ追い出そうとする、積極的なデトックス反応と考えられます。
4. 施術後に心地よくお過ごしいただくために
もし反応が現れたら、それは身体が一生懸命に「内側の修理」をしている合図です。
- 睡眠と休息を優先する: 眠気を感じたら、無理をせず早めに横になってください。
- 脾胃(胃腸)を労わる: 温かい白湯を飲み、食事は腹八分目を心がけてください。お腹を温めることで回復が安定します。
- 激しい運動や長風呂は控える: 身体が修復に専念できるよう、当日(少なくとも2時間以上)は静かにお過ごしください。
まとめ:安心の対話と共に歩む回復への道
瞑眩は「病が治るための通過点」ではありますが、患者様にとっては不安を感じる瞬間でもあります。
一滴庵では、古典の教えにある「病毒の動き」を尊重しながらも、現代の安心・安全な医療として、事前の丁寧な説明を徹底しています。「この反応はどういう意味だろう?」と不安になったときは、いつでも我慢せずにご相談ください。
伝統的な知恵と現代の誠実さを大切に、皆様の「自ら治る力」を最大限に引き出すお手伝いをさせていただきます。
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