「3回採卵しても卵が育たなかったのに、なぜ妊娠できたのか?」
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断され、不妊治療を頑張っているけれど、なかなか結果が出ない。
もしあなたが、妊活中で「昔から痩せ型で太れない」「胃腸が弱く疲れやすい」という悩みをお持ちなら、この記事が希望になるかもしれません。
先日、当院で素晴らしいご報告がありました。BMI 16という低体重と向き合い、東洋医学で胃腸(脾胃)を整えることで、成熟障害を乗り越え心拍確認まで至った33歳女性の症例をご紹介します。
患者様は33歳の女性。身長145cm、体重34.8kgと非常に小柄な方でした。 10代の頃から月経不順(遅れがちな傾向)があり、3年前に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断され、ピルを服用されていました。
1月から妊活をスタートされましたが、基礎体温が不安定で高温期もはっきりせず、自然妊娠には至りませんでした。
4月からは病院でアンタゴニスト法による採卵を3回試みましたが、PCOSによる成熟障害のためか「卵が育たない」という壁に突き当たり、9月に当院へ来院されました。
不妊治療において、PCOSの方は高血糖を伴うケースが多いため、私たちはBMI値が25を超えていないかを気にすることがよくあります。しかし、この女性の場合はBMI値が「16」でした。
実は、妊娠しやすい状態とBMI値には深い関係があると言われています。推奨されるのは20以上24以下で、特に無排卵月経が続く方は「22」をキープすることが理想的です。 ご本人に確認すると「昔から食べても太らないし、一時期は33kgくらいだった」とのこと。そこで、まずは食事の見直しから始めました。
朝食のコーンフレークとバナナを、ご飯とお味噌汁、そして卵1個というメニューに変えていただくよう提案いたしました。
この女性のお体を東洋医学の立場から拝見すると(これを弁証といいます)、「脾胃(胃腸)のエネルギーが足りない」状態でした。 食べたものを上手に消化・吸収できず、栄養が「自分の体を守ること」だけに精一杯で、卵子を発育させるまで手が回っていないのが問題だと考えました。
専門的な言葉では「脾胃気陰両虚(ひいきいんりょうきょ)から腎精不足を生じた不孕(ふよう)」と呼びます。 まずは目標体重を38kg(理想は40kg以上ですが、まずは現実的なラインから)に設定し、週2回のペースで治療をスタートしました。
まずは採卵までに少しでも胃腸の調子を整えたい(本当は春先にむけて長期的なスパンで行きたいとは伝えたのですが、次の採卵日程が決まっていたので少しでもいい結果が出るように)のでセルフケアの灸と共に胃腸を活性化させるツボを中心に治療していきました。
ちなみにこの女性のパートナーさんも精子の量が少ないため来院を薦めましたが、仕事の都合で来院できないとのことでしたので、当院で販売している牡蠣エキスを服用してもらうと精子の量も運動量も大幅にアップしてクリア。
食事の見直しも功を奏したのか、今まで一度もクリアできなかった採卵で、無事に4つの卵を獲得。体外受精では4つとも胚盤胞(5BB、4AB、4BB、4BB)まで進んでくれました。 スタートラインに立てたことを共に喜び、次は移植に向けて「子宮内膜を厚くし、血を補う治療」へシフトしました。
この頃には体重も36kgまで増え、少しずつ太りやすい体質に変わっていました。移植直前には内膜も12mmに。ふかふかのベッドが用意でき、あとは結果を待つばかりとなりました。
正直この2週間が患者さんももちろんですが、私自身もドキドキする時期でした。
治療に来られた時の雰囲気でなんとなく察知はできましたが、「先生、陽性反応でました」と言ってくれました。血液検査でも血中hCGが300を超えていて安心できる数値でした。
で、先日心拍まで確認できて来週には不妊治療のクリニックは卒業できそうです。
当初は「半年以上はかかるかもしれない」とお伝えしていましたが、驚くほどトントン拍子に進まれたのは、胃腸が整い、栄養がしっかりと卵巣へ行き届いたからだと思います。 不妊治療では「腎(生殖器)」の問題が注目されがちですが、このように「脾胃(胃腸)」の問題が大きく関わっているケースも多くあります。
12月1日の朔日参りでは、安産祈願のお守りを授かってきました。当院では心拍確認を一応の区切りとし、このお守りをお渡ししています。 これからも母子ともに健康に出産を迎えられるよう、引き続き全力でサポートしてまいります。

今回ご紹介したように、不妊の悩みと胃腸の調子は、実は根っこで深く繋がっています。一滴庵では、目の前の症状だけを追うのではなく、あなたの体が本来持っている「授かる力」を引き出すお手伝いをしています。
もし、「どこへ行っても同じだった」「自分の体質を知りたい」と思われているなら、一度そのお話を聞かせてください。
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今回の症例のように、妊活の土台作りには「日々のリズム」や「体のサイン」を知ることが欠かせません。気になるテーマをあわせて参考にしてみてください。
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