2016/7/21 11:54

鍼灸師が体調をくずしたら。

鍼灸というのは予防医学を中心とした治療体系ですので、本来であれば鍼灸師が体調を崩すのはあまりよろしくないことです。ですが、鍼灸師も人間ですので(汗)、どうしても体調を崩してしまうことももちろんあります。患者さんには「食べ過ぎ注意」「甘いもの食うな」とか「はよ寝ましょう」などいうのですが、いやはや全部はなかなか守れません。

今回僕も不摂生が続いたことと、あることをし始めたことから久しぶりに坐骨神経痛が出現してしまいました。

妻と子供と大阪駅の近所で食事をした後に大阪駅へ向かおうとすると右臀部から右足が痛くてベビーカーを押して歩くことができなくなってしまいました。

なんとかタクシーで家に帰り、やることと言えば、『まずは温めて寝る』。「え、鍼をしないの?」と思いますよね。でも、なかなか激しい痛みの時に自分で鍼を取って、自分で脈を見て選穴候補を探って治療するというのはハードルが高いものです。ということで、今回は温めて寝て少し回復しようと試みてみました。

翌日になると痛みは3割減していたので、ここで鍼灸治療です。まずは原因の考察から。ここ数日の生活状況を含めて思い返しながら自分の脈や体の情報を照らし合わせて考察します。この考察なく治療すると反って悪化させます。

まず、身体を見て頭のツボに鍼をしてみます。「う~ん、変化はイマイチだな」。一度抜鍼して次に肋骨のあたりのツボに刺します。

「うん、いい感じだけど、もう少し変化してほしい」ということで、もう一度抜いておへそ回りのツボに刺します。

「うん。これはいいね」刺しながら痛みが出る方向に足を動かすと痛みは8割減です。

実は自分の治療の場合は色々と試し鍼をすることが多いです。自分が患者さんなので少し無茶なこともしたりできますので色々試します。これが大事で、こういった経験がやはり自分のスキルアップになるんですね。

さらに翌日は後輩たちと勉強ということで、被験者になってさらに研究。本来なら使うのは好ましくないとされるツボに鍼をしてみて、変化を見てみたりしました。

鍼灸学生さんにはよく言うのですが、自分の体調が悪くなった時こそ鍼をするチャンスです。そこで、効いた経験、悪化した経験が後々大きく役に立ちますから。

もちろん、自分の手に負えない場合はほかの先生の治療を受けてください。僕もほかの先生の治療を受けることもありますよ。これもまた勉強です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です