ちょっとマニアックなネタがつづいたので東洋医学における数字の話はお休みして、興味深かった話を。

先日、ある健康業界の人と飲みに行った際に、「私この業界を辞めようかと思っている」とボソっと漏らしました。よくよく聞いてみると自分がクライアントになっても「感動」したことがない。いつも首を捻って帰宅するだけ。そんな状態で何年もこの仕事を続けられる気がしない。そんな「感動」がないから練習してもしっくりこないことが多いとのこと。

なるほど、確かに鍼灸業界でも同じ悩みはあります。僕も師匠の鍼を受けて、一向に良くならないなぁと思いながら帰宅することもありました。経絡治療の先生であっても、古典派の先生であっても、中医派の先生であっても、「うーん」と首を捻ることはあります。もちろん、大病をしていない、ただの肩こりや腰痛だからこそ「実感」が湧きにくい・定期的に通っていたわけではない、勉強がてらの治療体験だから患者(僕)サイドに「治す」という真剣さがあまりないというのも大きなファクターであります。あ、もちろん、困っていた時に治してもらってありがたいと思うことも多々ありましたので、僕の場合はまったく「感動」したことがないわけではないですよ。

友達に急性の坐骨神経痛を治してもらったり、学生時代痔が腫れてまともに座れなかったときに近くの鍼灸の先生に治療してもらったり、師匠に手荒れを治してもらったり、色々な経験もしてきました。

だからこそ、学生時代に色々な先生のところで「鍼」を受けて、「感動」した体験をできた人ってしっかりとそこで勉強するべきだと思うんです。まだ「感動」したことがない人はもっと色んな先生の治療を体験してみてください。

では、学生を過ぎて現場に立っている人はどうかというと、次は自分が「感動」を作る番です。大きく改善できなくても、自己満足かもしれないかもしれませんが、「ええ仕事したな」と思うことですよね。

正直先ほどの人は自分が他の施術家から感動させてもらう時期は充分に過ぎているんです。現場に立って数年経つのであれば、自分が自分の施術で「感動」しないといけません。

僕もまだまだ首を捻ることもあります。落ち込んだり、反省したりすることもあります。でも、それはまた次に繋げて、とりあえずは一個でもいいから「ええ仕事したな」と自分で言えるようなものを作るのが大事だと思っています。

他にも患者さんから「めっちゃ効いてビックリした」とか言ってもらえたときは、最近はやっと素直に受け止められるようになりました。変な謙遜をしなくなってきました。これも大事なことですよね。

場合によっては大言壮語や自己満足になって増長してしまうケースもありますが、謙遜や卑屈ですとなかなか自分で自分の仕事に「感動」できませんからね。